あるものを活かす経営研究会

毎月2回、「年輪経営研究会」は伊那食品工業、塚越会長の著書を参加者が購読し話し合う場です。5~6名の少人数で取り組んでいますが、最も大事な経営の核心部分がこの著書にあります。

頭では理解できることも実践するには時間が必要で、その間、一緒に取り組む仲間が欠かせません。

昨年、5月に座長の荒木さんが参加者に質問。

著書の中に「平成という時代は不思議な時代だ。物は溢れているのに、皆、幸せではない…」とあるが、どのように考えますか?

それから考え始めたのです。物が溢れているのに、幸せでない?

社会が求めているものを提供するのが、企業の存在価値であることは分かっています。そうすれば社会は豊かになる。しかし、幸せではない・・・・

では、提供しているものが間違っているのだろうか。企業が全力で取り組んでいる対象が間違っているのだろうか。

ひとつの例が日本の食品廃棄物。環境省の統計では食品ロスを含む食品廃棄物は約2,700万トン、このうち、食べられるのに捨てられている食品ロスは約600万トン。国際機関が食糧援助している一年分と同じだそうです。日本は食料の多くを海外からの輸入に頼っているが、その半分近くを捨てていることになる。それは企業の利益を捨てている事ではないでしょうか。そのための人件費は、生産時間は、設備は・・無駄なのではないのでしょうか。

企業努力が量の追求だけになった結果ではないでしょうか。量は売上額の増加を意味するから、売上高の追求は過剰な生産を産み出しても仕方がない・・・

本当に社会の豊さに繋がる生産活動はどのような形なのだろうか?

必要な利益を確保し、社会に還元できる経営努力とはどのようなものだろうか?

米国の3Mは世界で成功している高収益企業です。この企業の事を調べた結果、、3Mの取り組み方で、中小零細企業にもできることがありました。

一つは顧客と商品開発を進めていく事。

もう一つが生え抜き社員の能力を活かす事。

顧客を大事にし、ヘッドハンティングやM&Aよりも、今いる社員を重要視しています。極めて日本人に受け入れやすい経営です。しかも半世紀にわたって高収益を持続し、しかも日本企業の10倍の利益。

では、日本の企業はどうか。中小零細企業に参考になる経営はあるのでしょうか。手探りで進めて行きました。それが「あるものを活かす経営研究会」で、毎週1回、事例を取り上げて、話し合いを続けて行きました。

そして、やはり、この分野の先駆者である「日本でいちばん大切にしたい会社」坂本光司教授の著書や、「ニッポンを幸せにする会社」鎌田 實ドクターの著書に行き着きました。月刊致知には毎号、この分野の記事が掲載されているし、テレビのビジネス分野も盛りだくさんです。そこで、すでにある著書やメディアから事例を取り上げ、出典は明記し、可能な限り、直近のデータを参考にしています。

そうすると、多くの方々が取り上げている企業群に求める姿がありました。

日本には業種を問わず、優れた企業が多くありました。

社会に必要とされ、十分な利益を生みだし、それを再び、雇用や納税や社会活動に還元している企業です。

その結果、やはり「あるものを活かす」ことで、穏やかな成長をしている企業です。

どの経営にも当てはめることができます。経営の基本という事が出来ます。

この考え方には、さらなる源があります。「思いやり」「和の心」、それは論語などの古典にあるようですが、まだ道の途中です。